好きな男に金的された話

思い出し笑いだ。

先に言っておくが、盛大な下ネタと少々の同性愛要素が入る。
しかし恋愛には一切発展しないので安心して(?)読んでほしい。

私は男だが、同性も好きになることがある。
いや、あったという方がいいかもしれない。
タイトルから察する通りひどい目にあったので、恋愛コワイな体質になったのだ。
これ以外にも恋愛ではもれなくひどい目にあっているわけだが、今回は話がずれるので割愛。

あれは中学1年のことだっただろうか。
私には好きな男がいた。仮にそいつをTとしよう。
そいつを好きになった理由はひどいもので、「顔がいい」というものだった。
今となっちゃ反省しているが、私は面食いだ。
だから顔がよくて要領がいいそいつに惹かれてしまった。

Tはクラスの中でもフランクだが、好き嫌いは分かれる奴だった。
女子から見てもイケメンだろうが、すこしチャラチャラしてたうえにスキンシップが多いのだ。
また、男子によくある傘の持ち手を股に引っ掛けるあれを比較的誰にでもかけるような奴なので、そういうのが嫌いなやつは避けてた。

対して私はクラス委員長をしていた。
当時勘違い陰キャマンを決めていた私は、正義感が血迷って委員長を請け負ってしまったのた。
立場的に、Tのような人間には注意をしなきゃいかんので、私はTにことごとく嫌われた。
だがTはスキンシップを繰り返す。
叱ってきたやつにスキンシップとは理解不能だったが、当時の私は嬉しかったのでそのままそっけなく無視。

そしてその日はやってくる。
私はクラス委員を2期連続で請負い、秋に突入した。
私の母校では秋に合唱祭がある。
その合唱祭の担当になったのがTで、クラスの合唱をまとめる立場だったのだが、ある日練習をまともにしない男子への対応でTと言い合いをした。
私の意見は、そういう男子を徹底的に練習に参加させるよう叱るべきというもの。
対してTは、ふざける男子に強制はせず、和解を目指す姿勢。
明らかTが正しい子供の喧嘩だが、言い合いは部活へ向かうまで続いた。
その後部活も終わり帰宅時刻となったその時、私は玄関前でTと鉢合わせた。
私は言い合いになって帰れなくなるのが面倒だったので、近くにいた友達をひっかけて話しながら足早に帰ることにした。
しかし校門までの道中、仲のいい部活の先輩に呼び止められたので少し立ち話をしていた。

次の瞬間、
「うっっっっ!」
股間に衝撃が走り、天地がひっくり返った。
私は叫び声をあげたが、何が起こったのかわからなかった。
ただわかることは、股間がもげそうなくらい痛いことだけだった。
周り騒然、先輩唖然、私悶絶の地獄の空間で、一人だけ笑っている奴がいた。

Tだ。

周りの男衆と先輩がTをとりあえず隔離、私の周りによって来る女性陣、「大丈夫?」と聞かれるが私は声が出ない。しかし周りは女性ばかりだから金的とかだれも口に出せない。
(そもそも金的の痛みが理解できないだろうから、悶絶してる私に何が起こったのか理解していない人も多かったかもしれない。)
せめて誰か男来てくれと思いながら、私は痛みと恥ずかしさとで起き上がれなかった。

結局その後は女性に介抱されながら校門外まで出た。互いに気まずかったので、近くにいた男友達を呼んで家まで送ってもらった。Tは他の悪ガキ共と帰った。

その後友達に抱えられて帰宅。母は困惑。
友達が事情を説明してくれたので、母は納得した。
私はとりあえず二つに裂けそうな股間の痛みを抑えるために鎮痛剤を飲み、寝た。

その後帰宅した父が母からその話を聞き激昂。速攻で学校に文句の電話をかけた。
うちの父はまあクレーマー体質なので、結構キツく言ったのだろう。
次の日の放課後、担任に私とTが呼び出された。
しかしこれが逆効果。担任は新任の女性教師。どう頑張っても場がシュールになる。
T反省の様子なし。
事が事だけに男性教師が代わってやれよ…と思ったが、まあそれも先生の仕事だから仕方ないのかもしれない。私はTの平謝りを受け取り、そのまま帰宅した。

しかしその後急展開。さらに次の日Tがものすごくやさぐれた様子で学校へ来たのである。そして私を避ける。いつもみたいにふざける様子もない。
後に聞いた話だが、その前の晩にうちの親へTの親から謝罪の電話がかかってきたらしい。
それもすごい勢いで謝罪しながら。
どうやらTの親はかなりキツい親らしく、おそらくボッコボコに叱られたのだろう。
「最近他の子とも問題を起こしていて…本当にすみません。」と言っていたらしいので、暴力の対象になったのは私だけでは無かったらしい。まあ金的食らったのは私くらいだろうが。

その後私とTはほぼ関わらなかった。
クラスは(おそらく意図的に)離され、私も恋心は冷めた。まあ当然である。

これで中学の時の話は終わりだ。
しかしこの話には続きがある。
というか先日続きが出来た。

バイト帰り、中学時代の友達2人に偶然会った。
どこで道を踏み間違えたかそれぞれ立派に腐女子と姫女子になっていた。
かくいう私も百合は好物なので、とても話は盛り上がった。中学の思い出話にも花が咲いた。
しかし、盛り上がった話の流れで口を滑らせて、私の性的嗜好がバレた。
というか思い出話の途中でTが好きだったことを口走ってしまった。
しかし意外にも2人ともそれなりの理解を示してくれた。
それどころか私は2人から、驚くべきことを聞いたのである。

Tも私のことが好きだったのかもしれない。

は?

どうやらTも男が好きになる人種だったらしい。
しかしそれもそれで理解ができない。
なぜ好きなやつに金的を食らわせるやつがいると言うのか。

ここで更に驚いた。Tはメンヘラかまってちゃんだったのである。地雷女子かよ
親が厳しい家らしく、愛を求めた結果地雷になったっぽい。たしかにあの親はキツそうだった。
そしてそんな地雷に取ってはいけない行動がある。
そう、すこしかまってやった後に無視する行為である。

叱ってきたやつにスキンシップとは理解不能だったが、当時の私は嬉しかったのでそのままそっけなく無視。

その後部活も終わり帰宅時刻となったその時、私は玄関前でTと鉢合わせた。
私は言い合いになって帰れなくなるのが面倒だったので、近くにいた友達をひっかけて話しながら足早に帰ることにした。

雨の日には古傷が痛む。股間が痛い。

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